人間の味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の“基本五味”と呼ばれる5つで構成されています。実は、辛味は、味覚に分類されていません。基本五味は、舌の上にあるセンサーである味蕾を構成する味細胞を介して受容されますが、辛味は味細胞では受容されず、痛みなどと同じような刺激として、痛覚や温度覚で感じ取られるモノで、冷たい、痛い…そういった感覚を刺激して「総合的に感じる味」になります。つまり、辛味は厳密に言うと味ではなく、感覚になります。
辛味の受容体は、TRPV1 と呼ばれ、辛味成分によって活性化されます。非常に興味深いことに、TRPV1 は辛味成分だけではなく、43℃以上の温度刺激や酸(H+)によっても活性化されることがわかり、辛味刺激と熱刺激が同時に加わると、刺激は相乗効果で単独で刺激した場合よりも活性化されることが分かっています。熱々のカレーなどでは、辛味がより強く感じられるメカニズムになります。逆に辛みを治めるのに最も効果的な方法が温度を下げる(冷水を飲む)ことなのも納得できます。
辛味には、ホット系とシャープ系があります。ホット系の辛味は、感じるのが遅いぶん持続性があります。熱に強いのがこのタイプになります。唐辛子をはじめ、胡椒や生姜、山椒などがこのタイプです。シャープ系は口に含んだ瞬間に刺激を感じ、すぐに揮発して消えてしまうもの。熱に弱く、加熱すると辛味を感じなくなります。わさびやからし、ニンニクやネギ・ダイコンなどが、これに分類されます。
世界各地で特に好んで利用されているトウガラシの辛味は、発汗を促し、新陳代謝を促進する効果があると言われています。ただし、慢性的な過剰摂取に関しては悪影響が懸念されており、唐辛子を多く摂る韓国、インドのような国では胃癌の発生率が高く、唐辛子の過剰摂取との関連性が指摘されています。
By ルン
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