今回は、関節リウマチの炎症について確認をしたいと思います。関節リウマチは自己免疫疾患によるものですが、自己免疫に作用する細胞などが関節の滑膜を攻撃し痛みや腫れなど炎症を起こします。一般的に関節は、関節面・関節包・関節腔からなり、向かい合った骨が関節包に包まれる構造です。この関節包は二重の膜で外側の繊維膜と内側の滑膜でできており、この滑膜に炎症が起きるのが関節リウマチです。滑膜からは関節液=滑液が分泌されています。関節同士がぶつからない様に潤滑液の役割はもちろん、軟骨に栄養を与えます。
関節リウマチではまず、自己免疫反応〔ブログ2025年2月10日関節リウマチ(その1)参照〕で滑膜に炎症が起きます。白血球が滑膜の細胞を異物とみなし攻撃によって滑膜が炎症を起こし増殖をおこします。また、炎症に対応しようと滑液分泌され関節腔の水分量が増えます。これがいわゆる“水がたまる”状態で、関節が膨らんで痛みが発生します。進行すると滑膜細胞が更に増殖して肉芽組織を形成し骨や軟骨に侵食して破壊します。
軟骨が侵食され関節同士が狭くなると骨と骨がぶつかるようになり、激しい痛みを感じます。痛みで動きが出せなくなると関節面は癒着し、変形し曲げられなくなります。これらの症状は全身にでますが、特に手指の第2・3関節、手関節に好発します。進行すると他の大きな関節に発症してきます。頸椎の第1・2番目の環軸関節に発症すると運動障害や感覚障害の原因になります。
治療には免疫異常を改善する抗リウマチ薬、必要に応じて、炎症や痛みを軽減するステロイド、痛み止めの使用が主流です。また、新たな薬として、高い治療効果が期待され生物学的製剤、JAK阻害薬が登場し使用頻度が増加していますが、副作用の影響は否定できません。
そして、今注目されているのが、適切な運動による改善策です。関節の動く範囲を回復し、筋力を高め、変形を治すことにも繋がっています。適切な運動が、改善に繋がることが報告されているので、是非取り組んでいただければと思います。
by 健幸運動志同士 みさぽん
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