骨密度が、若年成人平均値(YAM)より80%未満の場合、骨粗鬆症と診断されます。 骨粗鬆症は、原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分けられます。原発性骨粗鬆症は、閉経や加齢だけでなく、運動不足や生活習慣などの原因が重なっておこり、最も多くみられます。続発性骨粗鬆症とは、特定の病気や薬剤、偏食などによっておこるものです。しかし、加齢、閉経というのは、誰にでも訪れるものです。しかし、それが原因であるなら、防ぎようがないように思いますが、加齢している人、閉経している人が必ず骨粗鬆症になっているわけではありません。ですから、加齢、閉経というのは、「気をつけなければ骨粗鬆症になる可能性が高くなる」というレベルで考えていただいたら良いのではないかと思います。
骨粗鬆症の治療法は、薬物療法、食事療法、運動療法を提案されます。日本では、薬物療法が中心となっていますが、一番重要なのが運動療法です。骨密度の決定には、骨にかかる重力負荷がカギになっていると考えられます。カリフォルニア大学で宇宙飛行士たちをCTスキャンで調べたところ、半月の滞在で約20~30%の骨密度の低下がみられたと報告しています。特に、背骨、かかとなどの重力から身体を支える部分のカルシウムの流失が多く、食べ物を噛むことで刺激を受ける歯槽骨(歯を支える骨)からはカルシウムの流失が少なかったようです。このことからも、骨に刺激になるような運動がたいへん重要になっていると思われます。
女性と男性とでは、骨粗鬆症になる確率は男性のほうが格段と低いですが、この理由は閉経などのホルモンによるものと考えている方は多いですが、一番の理由は筋肉量の差だと思われます。当院の患者さんの中には、閉経後から骨密度がかなり低下しておられて、カルシウム剤やビタミンDなどのサプリメントを摂取しておられました。しかし、数値は改善せず、諦めておられましたが、当院でBTP(運動療法)を受けられて、一年後に骨密度が正常値になっておられ、現在では年齢より20歳以上の若さの数値を示しておられます。つまり、骨は、何歳からでも若返るということです。
by 頃僕来
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