一般に「運動はからだにいい」と考えられていますが、「どんな運動を」「どれくらいすれば」良いのか、運動がどんな仕組みで効果を及ぼすかはほとんど分かっていません。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所の研究グループは、運動時に頭に伝わる適度な衝撃が、脳機能の維持・調節に関係していることを確認しました。
研究グループは、ラットの頭に加速度計を設置し、適度な運動と考えられている分速20mで走らせたところ、前足の着地時に約1G(Gは重力加速度の単位)の上下方向の衝撃を検出しました。人間では、時速7㎞の速さで歩いたときも、頭が同じ衝撃を受けることを確認しています。続いて麻酔したラットの頭を毎秒2回上下動させて1Gの力を加えると、大脳皮質の一部で神経伝達物質セロトニンが誘導する幻覚反応(攻撃的あるいは反抗的行動)が抑制され、マウスを走らせたときも同じ反応が見られました。
研究グループは、運動で頭が適度な衝撃を受けると脳内間質液が流動し、脳内の神経細胞に流体せん断力という物理的刺激が加わって神経細胞の機能が調節されるという分子レベルの仕組みが広く存在していることを確認し、適度な衝撃を与えれば、脳の機能向上に繋がると報告しています。
逆に脳への衝撃が過度になってしまうと脳機能を低下させてしまうことになるので、ランニングなどを行うときは、厚底などの衝撃吸収してくれる素材の靴を履く方が良いようです。それを考えると「大股、早歩きを10分間」の運動は、脳の活性化に向いているようです。最近、「物忘れが多くなった」「なかなか新しいことが覚えられない」と気になっておられる方は、試してみる価値ありですよ。
by 珍香鈴
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