「アレルギーと癌」これら2つの疾患の発症のメカニズムには、「免疫システムの不具合」という共通点があります。私達の体では、約37兆個と言われる細胞の中で、1日あたり数千個もの細胞がミスコピーとして作られていると考えられています。これらの細胞は、自分の免疫システムが見つけ出してやっつけてくれたり、ミスコピーが自滅しています。言うなればミスコピーは消去されているということになります。しかし、このミスコピーが残るようなことがあると、倍々に増えていき、大きさにして1㎜程度、細胞の数にして10億個程度になると、検査機器などで発見されるようになります。つまり癌は、ミスコピーした細胞を免疫システムが処理しきれない時に発生すると考えられます。
免疫細胞の働きが弱くなっているときにがんが発生するとすれば、免疫細胞が過剰に反応しているのがアレルギーと考えることができます。例えば、花粉症は今やアレルギー疾患の代表ですが、免疫システムが本来は攻撃する必要のない、体内に入った花粉を追い出そうとしている状態です。いわば、免疫システムが「誤作動」を起こしている状態と言えます。
誤作動を起こしてしまう大きなカギは、体温にあります。免疫細胞は37℃を超えたぐらいから、活発に正常に働き出します。逆に36℃前後だと働きはしますが、動きは鈍く、正しく働いてくれません。体温の低い環境で異物を見つけた免疫細胞は「よくわからないから、追い出しておこう」になり、つまり誤作動になるのです。そして、がん細胞が最も活性化する温度が35℃台で、免疫細胞がほとんど働いてくれない温度なのです。
だから体温を上げる必要があります。身体を動かすと身体が温かくなりますよね?筋肉には、産熱という熱を作る大事な働きがあります。体温を上げるには、身体を動かして筋肉を活性化してあげることなんです。つまり、運動することは、アレルギー予防のみならず、がんの予防にも繋がるということです。
by chirune
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