ストレス社会は、人々に緊張をもたらし、マスク装着の影響もあり、常にのどの渇きを訴える人が増えているようです。口の中の唾液が少なくなり、乾燥する状態が続いていることを「口腔乾燥症」と言います。現代人はファストフードを食べる機会が増えたり、やわらかい食べ物を好むようになり、咀嚼時間は昔に比べてずいぶん短くなりました。咀嚼という行為は「唾液の分泌」を促しますが、唾液を分泌する唾液腺は、咀嚼筋と呼ばれる筋肉によって作用することになります。その筋肉が衰え、唾液の分泌量が低下し、ドライマウス症状になるのです。ドライマウスはまさに現代病であり、患者さんは増え続けています。
咀嚼による唾液の作用は、たくさんもっており、食べ物を呑み込み易くするだけでなく、唾液を絡めることで食べ物を体内に吸収しやすい形にします。また、唾液は、歯についた食べ物のかすを洗い流したり、酸性になった口内を中性に戻すことで、歯のカルシウムが溶けるのを防ぎ、歯の表面を修復する再石灰化という作用もあります。殺菌作用や止血作用もあることがわかっています。放置して対処しなければ、むし歯や歯周病だけでなく、口臭の悪化・食べ物を飲み込む能力が低下する摂食嚥下障害や味覚障害・発音障害・誤嚥性肺炎など重篤な病気になりかねません。
口の中が乾くと、唾液の持っている自浄作用が失われ、通常よりも感染症になりやすくなります。眼や口腔など、外界にさらされている臓器は、ウイルスや細菌の侵入を防ぐために外分泌液が流れていて、生体防御の最前線を担っています。そこが枯渇すれば体内に不利益な微生物の感染が生じることは自明です。また、感染予防対策としてのマスクの常用による口呼吸の増加で、唾液が蒸発してしまいドライマウスを助長するケースや、薬の中には副作用として唾液の分泌量が少なくなるものも多くあります。ドライマウスを感じている方は普段の咀嚼の回数、服用している薬、マスクの装着時間、鼻呼吸になっているかなど確認してみてはと思います。
by コオロギ
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