マスクは、花粉症対策、保湿快適性、顔を隠すためなど様々な目的で使われますが、医療関係者がマスクを使うのは、自分の体液、飛沫(ひまつ)から患者を守るためでもあり、患者の血液や体液、飛沫で自身を守るためでもあります。その際には手袋や時にはゴーグルも併用しますが、主な目的は病人や高齢者に感染させないことです。
マスクには、感染予防の効果はほとんどないどころか、不適切なマスク使用は、むしろ感染の可能性を増しかねないことはあまり知られていません。感染予防に大切なことは、マスクの使用ではなく、こまめに手指の衛生に努めることであり、むやみに顔面や頭髪、あるいは人の手が触れたり、唾液が飛散したりする部位に触らないことです。米国公衆衛生局長官も、同じ趣旨の発言をしています。マスクに心理的な安心感を持つ人は多く、マスクを求める心情に水をさす議論をすれば、反発は避けられませんが、正しい理解による「効果的なマスク使用」にして欲しいと思います。
感染者のせきやくしゃみで飛び散る飛沫には、大量の病原体が含まれています。そのまま飛散しますが、水分を含んで重いため、大半は床や机上、あるいは着衣などに落下します。一部は水分を失い、軽くなり小さなエアゾール化して浮遊しますが、舞い上がる量もわずかです。マスクは、大きな飛沫なら捕らえることができるため、感染者にマスクをしてもらうと、周囲に感染を拡げる割合を5分の1程度には低下させられますが、ゼロにはできないようです。知っておいていただきたいのは、「マスクには感染者の飛沫の飛び散る量、範囲を制限する効果はありますが、ウイルスそのものは通過させる」ことです。
さらに問題なのは、マスクがあるばかりに、顔に触る頻度が増えることです。終日、無意識に何百回とウイルスにまみれたマスクや顔、髪の毛、着衣に手を触れたら、その都度、手指の衛生に努めたいものです。
by 太久籠
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