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下肢静脈瘤

 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、脚の表面近くを通っている静脈がこぶのようにボコボコと盛り上がる、あるいはクモの巣状または網目状に浮き上がる病気です。急に悪化したり命にかかわることはありませんが、足のだるさや、むくみなどの症状が慢性的におこります。足に血液がたまることによっておこるので、午後から夕方に症状が強くなるのが特徴です。重症化すると、湿疹ができたり、皮膚が破れたり(潰瘍)、出血をおこすことがあります。また、血液の流れが悪くなっていることが原因になっているので、心臓への負担も大きくなっていると考えられます。
 治療には、血管交換やレーザー治療などの方法がありますが、血液の流れが悪い状態が続くと、再発は免れません。実際に今年の9月から当館をご利用いただいている、70代の女性は、数年前に静脈瘤の手術を受けたそうですが、またふくらはぎの血管が膨らんできていると訴えておられました。しかし、当方での取組みで、膨らみは小さくなっています。
 血管には動脈と静脈があります。動脈の血管壁は厚い筋肉でできていて、血管のポンプ作用によって、勢いよく血液を流してくれますが、静脈の血管壁は薄く、血管のポンプ作用は弱いので、血管の中に逆流防止弁があります。つまり、血管の力だけでは、しっかりと血液を流すことはできないのです。足の静脈は歩く時など足の筋肉が収縮、拡張をくり返すたびに血管が筋肉によりしぼり上げられることで血液をより効率よく流してくれるので、身体を動かす機会が減ると、下肢に血が滞留しやすくなるのです。ですから、静脈瘤の改善には、つま先立ちのような下腿部の運動はもちろんのこと、全身をバランスよく動かしてあげることで、身体全体の血流がよくなるので、それだけで十分、改善が可能です。
ヒトの身体は動かすことを基準につくられています。動かして気持ちいいと感じる程度に、マメに身体を動かす習慣をつくりましょう。
by chirune
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