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二酸化炭素の人への影響

 通常平地での空気の割合は、酸素が約21%で、約78%が窒素、残りの約1%が二酸化炭素やアルゴンなどの物質です。我々は、食物を代謝してエネルギーを取りだしていますが、主に酸化反応が利用され、エネルギー以外の生成物質として、水と二酸化炭素等が形成されます。そして、余計な二酸化炭素の排出を主に呼吸によって行っています。二酸化炭素は、身体の酸塩基平衡の緩衝剤としての役割があるので、ある程度は必要な物質です。しかし、過剰になると命をも脅かすのでデリケートな存在です。
 二酸化炭素が人体に与える影響は、3%(30,000ppm)未満の二酸化炭素については、短時間では呼吸量の促進がみられますが顕著な悪影響はありません。しかし、長時間の吸気では悪影響もあります。例えば、潜水鑑などの閉鎖性がきわめて高い空問では、2%程度の二酸化炭素を長時間に渡って吸気するような状況下では人体の酸塩基平衡の崩壊などが起こり、頭痛などの自覚症状が現れています。4%(40,000ppm)では、短時間で頭痛,めまい,耳鳴り、除脈,血圧上昇などを生じ,6%では悪心,嘔吐,8%では精神活動の乱れや呼吸困難を生じ、また,10%を越えるような非常に高い濃度になると、中枢神経系の機能が低下して無意識となり.呼吸中枢や循環中枢の麻痺を生じて死に至ります。また,文献によっては,7%以上では、短時間でも神経毒として作用して,死に至るケースも多いと報告されています。
 二酸化炭素は、一酸化炭素などと異なり,体内で代謝活動の結果として生み出される物質であるので、その点からも毒性という表現には至りません。二酸化炭素自身の作用として問題となるのは,麻酔作用で、高濃度の二酸化炭素には麻酔作用があり,程度によっては呼吸中枢などを麻痺させます。呼吸中枢が麻痺して、呼吸が停止した場合には体内は酸欠となり短時間で死亡します。このような特徴は、毒性とは異なりますが、二酸化炭素の危険性を表しています。
 また、運動を開始すると身体が活動を始めるとそれを維持するエネルギーが必要となります。これには酸素の十分な供給と過剰な二酸化炭素の排出が必要であるため、呼吸活動も大きくなります。最も重要な機能は,体内の二酸化炭素レベルの増加を身体のセンサーが感知し呼吸を活性化させる作用です。運動の開始により、体内の二酸化炭素レベルが上がると積極的に吐き出そうとします。ですから、運動中にマスク装着は、たいへん危険な状態となります。
by ボヤッキー
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