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時間栄養学?

 「同じものを同じだけ食べるとしても、夜食べるよりも、朝食べたほうが肥満になり難い。」ことが、マウスの実験でしっかりと確認できました。「食べるのを我慢せずにダイエットできる」という話は国を問わず大きな関心事項です。「ダイエットに夜食は厳禁!」という話はよく聞きますが、実は「食べる時間」と「健康」についてきちんとした研究が始まったのは、つい最近のことです。「従来の栄養学は、『何を』『どれくらい』食べるかという観点から研究されてきました。しかし、それと同じくらい『いつ』食べるかも重要だということが、ここ数年で判ってきています。この分野は『時間栄養学』と呼ばれていて、2017年に発表されたノーベル医学生理学賞の受賞対象である『体内時計』とも大きく関わっています」
 このマウスの実験は、人間で言えばハンバーガーとジュースのような高脂肪・高ショ糖のエサを、マウスが活動する時間帯(夜間)に食べさせた場合と、活動しない時間帯(昼間)に食べさせた場合とで比較するというものです。自由にエサを与えたマウスでは、エサの8割程度を夜間に、残りを昼間に食べている一方、昼間か夜間のどちらかのみエサを与えたマウスは、そこで一気に食べていることが確認されています。昼間にのみエサを与えたマウスでは、活動時間帯の後半になって活動が下がっていることです。活動量が下がるとエネルギーの消費量も下がるため、結果的に体重が非常に早くから増加しはじめました。同時に、コレステロールと中性脂肪も増えました。特に中性脂肪は2倍から3倍にもなっていて、たった1週間で脂肪肝になってしまいました。
 体重が増えるメカニズムには、ひとつは単純に、活動量が低下することによって、エネルギー消費量が下がることで、もうひとつは、食欲を抑制するホルモンのレプチンが分泌されているのにもかかわらず、食欲の低下がみられなくなる状態のレプチン抵抗性です。通常のマウスにレプチンを投与すると、エサを食べる量が減って体重も減りますが、寝ているはずの時間にエサを与えたマウスは、レプチンを投与しても、その効果が全くなかったというのです。不規則な時間に食べると太ることは、経験的には誰もが知っていても、その具体的なメカニズムについては、これまでほとんど何もわかっていませんでした。夜中に少しくらい食べても、そのぶん運動すればいいと考えている人は多いですが、効果は少ないようです。
by 頃僕来
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