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暑さ寒さも彼岸まで

 コロナ禍の中、お彼岸にお墓参りした方も多いと思います。そして、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がよく登場しますが、その言葉に深い意味が込められているのをご存知でしょうか。
 彼岸には、春彼岸と秋彼岸があり、それぞれ、春分の日(3月21日頃 年によって前後します)秋分の日(9月23日頃 年によって前後します)を中日として、その前後の日を合わせた6日間を彼岸といいます。
なぜ「暑さ寒さも彼岸まで」?
 春分や秋分は二十四節気のひとつで、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。秋は秋分の日(=彼岸の中日)を境に日が短くなっていき、秋の夜長に向かいます。つまり、太陽の出番がどんどん短くなるので、暑さも和らいでいきます。春はこの逆ですね。しかし、昼と夜の長さが同じだからといって、春分と秋分の気候が同じになるわけではありません。暑さの名残で秋分のほうが10度以上も気温が高いのですが、厳しい暑さや寒さも目処がつく頃なので、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるようになり、慣用句として定着していきました。
「彼岸」とお墓参りは関係ある?
 彼岸にはお墓参りに行く風習がありますが、それは、春分と秋分の太陽に関係があります。仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界を彼岸といい、その反対側の私達がいる世界を此岸(しがん)といいます。そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考え、先祖供養をするようになりました。
迷い、悩み、煩悩に惑わされている人間が、悟りの世界と通じるときですから、暑さ寒さやそれに伴う様々な辛さも、彼岸のころには和らいで楽になると考え、励まされていたのでしょう。
 昔と比べて気候が変化しており、従来の季節感とのずれを実感することが多くなりましたが、暑い寒いだけではなく、言葉の背景にも目を向けてみると面白い発見がたくさんあります。
by chirune
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