連日暑い日々が続きますが、飲み終わったグラスに残る氷をガリガリと食べている人、それはもしかすると身体からの特別なサインかも知れません。グラスいっぱいの氷程度ならあまり問題ないとは思いますが、なかには、冷凍庫にある氷を何個も食べたくなって食べるのを止められなくなるという方もいるようです。こうした行動が見られることを、医学的に「氷食症」と言います。氷食症は「鉄欠乏性貧血」と言われる鉄分不足による貧血症状をきたしている方に多いと考えられています。
しかし「なぜ鉄欠乏性貧血と氷食症が関連するのか」は現在でもよく分かっておらず、
「氷を食べると貧血による口の炎症がおさまる」
「鉄分が不足することで、自律神経が乱れ体温調節機能が異常をきたし、口の中を熱いと感じるために氷を口にしてしまう」
「氷を噛むことによって反射的に脳血流を増加させている」
などが、考えられているようです。
少し前の研究では、貧血にさせたラットの目の前に氷と水を並べどちらから水分摂取を行うかという研究をしたところ、正常なラットは水から摂取したのに対し貧血ラットは、96%が氷から摂取したようです。その際氷を舐めるではなくかじるラットがほとんどだったようです。この傾向は,ラットの貧血が改善するにつれ消失し、貧血がなくなったラットは氷には見向きもしなくなった、と報告されています。氷食症と鉄欠乏性貧血の確証できる説はないものの、「鉄欠乏性貧血の人の約6割が氷食症」という報告も多いようです。
鉄欠乏症の原因は、過度なダイエットによる栄養の不足や偏り、身体の慢性的な出血(不正出血等)、胃酸抑制薬などの薬を服用している場合には、胃酸の分泌が低下して鉄が吸収され難くなっていることなどが考えられます。もし、身の回りで氷をよく食べる方がいたり、普段自分が氷をガリガリ好んで食べていないか、確認してみてください。
by コオロギ
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