暑い季節。気になるのは汗。ニオイや汗染み、化粧崩れなど、嫌なイメージも多いですが、実は人間の健康状態に非常に大事な役割を担っています。その汗、コロナ渦で外出や運動の機会が減り、上手にかけなくなっている人が増えているというのです。
　そもそも汗は体温を調節するために出ています。皮膚の表面で蒸発し、その気化熱で体温を下げ、一定に保っているのです。汗は血液から血球を取り除いた残りの血漿という成分がもとになっており、血管のすぐ近くにある汗腺という器官で作られています。血漿は99%以上が水分ですが、カリウム、マグネシウムなどのミネラルも含みます。ミネラルは体に必要なものなので、汗腺は、血漿の中の水分だけを濾過し、ミネラルは再度血管に戻され、その後汗として排出します。こうして出てきた汗はサラサラとしており無味無臭のいわゆる良い汗です。
　ところが、汗をかく機会が少ないと、汗腺の機能が低下して濾過機能が衰え、ミネラルや老廃物を含んだべたついた汗になり、また、ミネラルが皮膚の常在菌と結合して嫌なニオイのもとになってしまいます。おまけに、濃度の濃い汗は大粒で蒸発しにくいので、本来の目的である体温調節もうまくいきません。必要な成分を含んだ汗を大量に発汗すると、怠く疲れやすくなったり、熱中症を起こしやすくなったりします。良い汗にするには日頃から汗をかき、汗腺を鍛えておくことが大切です。普段やってしまいがちな生活習慣を見直し、健康的な良い汗をかけるようにしていきましょう。
夏場に気を付けたい生活習慣は、
〇エアコンの温度を下げすぎない。調節出来ない場合は羽織を用意するなど、皮膚温度をさげないようにする。
〇入浴はシャワーだけにせず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。
〇冷たい食べ物、飲み物を摂りすぎない。
〇暑いからといってじっとせずに適度な運動を行う
　特に適度な運動は全身の血液が循環し、発汗しやすい体作りが出来ます。涼しい時間にウォーキングをしたり、ストレッチやヨガなどもおすすめです。
いい汗をかくことは健康のバロメーターでもあります。汗を上手に出して、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
by　ヨガインストラクターChieko

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