昨年、某大学病院で肝臓がんの手術後に入院していた男性患者(76)が不要な腹部のコンピューター断層撮影(CT)検査を受け、その際に投与された造影剤で急性アレルギー反応を起こし、翌月に亡くなられたニュースを記憶しておられる方も多いかもしれません。同病院は、CT検査の中止が医師らの間で共有されず、必要のないCT検査が行われたなどとして重大な医療事故と判断して事故の調査結果をホームページで公表しました。
同病院によると、男性は2019年9月中旬、肝臓がんの手術で入院し、手術から数日後、胆汁が漏れる症状が現れたため、担当医らは腹部をCT検査した後、治療を進める方針を決めました。しかし、CT検査を複数の別の患者が受けていたため方針を変更し、先に治療を進めた結果、成功したためCT検査の必要がなくなりました。それを医師がCT検査の中止を看護師に指示しましたが、他の医師らには伝わっていませんでした。
CT検査で造影剤が投与された後、男性の容体は急変し呼吸停止などの症状が現れて、病院側は治療を続けましたが、男性は1か月後に多臓器不全で死亡しました。事故後に院内調査委員会は、電子カルテからCT検査の実施方針が削除されなかったことも不要な検査につながったと認定されました。また、担当医が、手術前の検査で男性に軽度の造影剤アレルギーの症状がみられたことを確認せず、CT検査を依頼したことも問題点として挙げています。
この結果をどのように受け止めるかは、個々違うと思いますが、快方に向かっていただけにたいへん残念な結果になりました。細心の注意を払っていた思いますが、ただ医療ミスというだけでなく、たくさん考えさせられる事象と思います。
by 太久籠
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