筋疲労は、筋肉の使い過ぎによって筋肉が疲労し、十分な力を継続して発揮することができなくなる現象を指します。高強度の運動や持続的な運動後などに見られますが、通常は一時的なもので、十分な休養と栄養によって回復します。しかし、疲労の回復に不可欠な休養と栄養が不十分な場合には、慢性的な疲労状態になることがあります。この状態をオーバートレーニング症候群と言い、疲労の積み重ねによってトレーニングの効果や競技成績の低下を招くだけでなく、ケガに繋がったり、重症化すると体調不良に及んで休養期間が長くなるために競技への復帰が難しくなる場合もあります。
今までは、乳酸が蓄積すると筋疲労が起こると考えられていましたが、この考えは間違いであることが近年の研究で明らかとななっています。その原因は、未だ完全に解明されていませんが、最近では乳酸とともに作られる水素イオンの作用によって筋肉のpHが酸性に傾くこと、筋肉を収縮するためのエネルギー源となる筋グリコーゲン(糖の一種)が枯渇することが原因と考えられています。また、筋細胞中にある筋小胞体からカルシウムが放出されることで筋肉が収縮しますが、高強度の運動時にはリン酸が多く作られ、リン酸がカルシウムと結合してカルシウムの放出が阻害されることによって筋疲労が起こるという説もあります。
筋疲労の回復を早めるためには、筋肉の血液の流れをよくすることが重要です。血液の流れをよくする方法として、ストレッチやマッサージ、入浴、交代浴(温水と冷水に交互につける)などがあります。ウォーキングやリラックスできる程度の軽い運動によって、筋肉の収縮を促すことも筋疲労の回復に効果的とされています。また、低周波治療器は、外部から筋肉に電気刺激を加えることで筋肉を動かしたり、血行を促進したりすることで、凝りや痛みを緩和するという報告もあります。また、激しい運動を行うと熱が発生して筋肉の温度が上昇しますが、筋肉の温度が上昇したままだとエネルギーを消費してしまうため、運動直後にアイシングを行い、筋肉の温度を下げることで筋疲労の回復につながる場合もあるようですが、注意が必要です。
by 破易怒
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