肝臓は重さ1,000~1,200gあり、からだの中で最大の臓器です。体内の血液の1/4が集まっており、血液によって運ばれてきた原料を化学反応によって加工する工場のような役割を担っています。例えば、食べ物から摂取した糖・たんぱく質・脂肪を体内で使える形に変えて貯蔵し、必要な時にエネルギーの素として供給したり、アルコールや薬、老廃物などの有害な物質を分解し、身体に悪影響を及ぼさないように無毒化します。他にも、脂肪の消化吸収を助ける消化液「胆汁」を生成・分泌します。
血液検査をした時に出てくる肝機能を表す数値、主にどんなものがあり、そこから何がわかるのか調べてみました。
・ALT(GPT):体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で重要な働きをし、肝細胞内でつくられる酵素です。主に細胞内に存在していますが、何らかの異常で肝細胞が破壊されると、血液中に漏れ出します。その数値が高いということは、それだけ肝臓が障害を受けているという状態を反映しています。
・AST(GOT):ALT同様にアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で重要な働きをしますが、ASTは、肝臓以外の臓器にも存在するため、数値の増減が必ずしも肝臓に関係しているとは限らず、AST値のみが高値を示す場合は、肝臓以外の病気である可能性もあります。
・γ-GTP:たんぱく質を分解・合成する働きをし、肝臓や腎臓などでつくられる酵素です。肝臓では、通常肝細胞や胆管細胞に存在し、胆汁中にも存在しています。お酒の飲み過ぎや肥満、薬の服用などにより、γ-GTPがたくさんつくられるようになると、血液中に漏れ出し、数値が上がります。また、胆石が詰まった場合や胆管細胞の破壊が生じた時なども、数値は上がります。
数値は、生活習慣でも増減するので、薬の服用で数値を下げる前に、なんで上がってしまったのか生活習慣を見直すことも大切です。
By ルン
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