肩コリとお腹の不調は一見関係なさそうですが、関係しているようです。最近の研究によると、肩こり(慢性頚部痛)がある人は様々なお腹の不具合が出ると示唆されています。こ
こでテーマになるのは「迷走神経」という神経で脳から顔面や口の筋肉に広く分布して胸部、腹部の臓器や嚥下、発声、消化管の蠕動運動にも関わってる神経です。迷走神経の機能に障害が出ると胃腸の消化器症状が出る事も知られていて、副交感神経の代表的な神経なので、自律神経の調整にも大きく関与しています。
話を戻しますが、今回の研究では胸鎖乳突筋という首筋にある筋肉を対象に行われていて、胸鎖乳突筋の硬さを専門の機械で調べると慢性頚部痛がある方は健康な方と比べて硬さがあったり硬さの左右差があったようです。また、迷走神経機能低下や消化器症状の有無や程度を確認するアンケートのスコアが悪い事が報告されました。
では、なぜ胸鎖乳突筋の硬さと胃腸の障害とが関連しているかですが、胸鎖乳突筋は「副神経」「頸神経叢の枝 」に支配されています。副神経は先程の迷走神経にも関わっているので、胸鎖乳突筋の硬さ(緊張)によって副神経の圧迫→迷走神経の圧迫や機能不全→消化器症状の出現に繋がった可能性があります。この研究では被験者がやや少ない事と精密性が完全ではない様で更なる研究が必要と研究者らは述べています。
ただ、肩コリや肩首周辺に痛みがあると胃腸のトラブルに繫がる可能性があるという研究報告は、肩コリの有無だけですぐに胃腸の障害になる訳ではありませんが、臓器と筋肉の密接な関わり合いを示す研究と言えると思います。また、肩こりは姿勢を悪くする原因であり、また姿勢の悪さも肩こりの原因であるため、肩こりが胃痛に影響することは十分にあり得ます。更に、股関節の動きと胃腸のトラブルに関連性があるとも言われているので、正しく筋肉が働くと身体の内側のトラブルも改善すると思われます。
by スクープ
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