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自然免疫と獲得免疫

 私たちの体は2段構えの防御システムを持っています。それが自然免疫と獲得免疫です。病原体が体の外から中に侵入しようとすると、少なくとも大きな3つの障壁、バリアがあります。最初の2つの障壁は自然免疫と呼ばれるもので、まず皮膚や粘膜に存在する殺菌物質が病原体の体内への侵入を防ごうとします。物理的、科学的バリアと呼ばれるものです。
 しかし、そのバリアに穴が開いていますと、ウイルスはさらにその内側の層に入ってきます。そこでは白血球の一部である食細胞が病原体を待っていて、病原体を食べる、あるいは殺菌物質を作って殺す――これが自然免疫です。反応は早いのですが、免疫記憶は持っていません。もし、この自然免疫だけでウイルスを防げないと、ウイルスはさらに中に入ってきます。そうすると、自然免疫を突破した病原体に対して、白血球の中の2種類のリンパ球、B細胞とT細胞が主体となって抗体などを作り、ウイルスを排除する――これが獲得免疫です。
 自然免疫は反応が早くても、一度出会ったものを覚えていません。獲得免疫は反応が遅いものの、一度出会ったものを覚えているので、再び同じウイルスが入ってくると強く働いて排除します。自然免疫は生まれた時から誰もが持っている機構、獲得免疫は生後発達する機構で、我々はこの2つのメカニズムを持っているためにウイルスと出会っても容易には感染しません。恐らくウイルスは100個、200個ぐらい来ても、私たちはこのような免疫の仕組みを使って、撃退することができるのです。ですから、過度に外側からの侵入を防ぐことばかりに囚われずに、コレラの免疫機能を低下させないように①バランスの取れた食事、②適度な運動、③良い睡眠ができるように努めることが重要です。
by スカラー
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