鵞足炎は、「鵞足(がそく)」と呼ばれるひざの内側下方の脛骨の周囲に炎症が生じ、鵞足滑液包炎とも呼ばれています。脛骨というスネの骨の内側に位置し、縫工筋、半腱様筋、薄筋と呼ばれる筋肉の腱が骨にくっつく部位で、ガチョウの足に似ているので鵞足と呼ばれています。滑液包は、膝をはじめとした関節に存在する少量の液体が含まれている袋で、骨と軟部組織の間に存在し、摩擦を軽減するために滑液を分泌させます。鵞足炎は、繰り返される摩擦とストレスに鵞足への負担となり、発症します。
発症に関与する可能性が高まる原因として、下記のモノが上げられます。
・不適切なトレーニング
・過度なスポーツや運動
・合わない靴、安定しない状態での運動
・運動不足
・ハムストリングの硬さ
・肥満
・変形性膝関節症
・外傷 etc
また、「関節リウマチ」や「痛風」といった全身性の病気、または滑液包におこる感染症などによっても引き起こされます。
鵞足炎や鵞足滑液包炎では、膝に痛みを感じるようになります。主に痛みが現れるのは、足の内側の膝から、すねにかけてのあたりで、鵞足を構成している3つの腱(縫工筋・薄筋・半腱様筋)と、脛骨がつながっているところです。痛みは階段の上り下りのときに感じやすくなります。
上記のような原因で鵞足や鵞足滑液包に炎症が起こっている可能性があり、鵞足のあたりに痛みがピンポイントで生じている場合には、鵞足炎や鵞足滑液包炎と診断することができます。その他、超音波検査によって膝の状態を明らかにすることも、診断や治療方針の決定に役立ちます。一般的な治療提案として、安静、非ステロイド性抗炎症薬の投与、グルココルチロイド(炎症をおさえるステロイドホルモン) の注射が処方されます。しかし、根本的な改善には繋がりません。痛みの出ている部分だけでなく、上半身や下半身の使い方を見直さないといけません。特に背の働きを良くさせることは、重要です。
by スカラー
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